眼瞼下垂
眼瞼下垂症とは
まぶた(眼瞼)が垂れ下がった(下垂)状態をいいます。まぶたを開けるための筋肉(眼瞼挙筋)がゆるみ、それによって視野が狭くなる疾患です。症状
視野が狭いというのが主な症状です。目が開きにくい、重い、物を見るのがつらいなどです。また、目を開ける筋肉は自律神経や頭部の筋肉と連動しているため、目の開きにくい状態が長く続くと、目を開けようとして頭部の筋肉は過緊張になり、頭痛、肩こり、項部(首の後ろ)の痛み、また自律神経も過緊張になり慢性疲労、不眠などの症状を引き起こす場合もあります。原因
生まれつき(先天性)、外的因子(例えば、白内障術後、けがなど)によるものもありますが、原因の多くは老化(後天性)によるものになります。老化による眼瞼下垂のほとんどは少しずつ下がってくる腱膜性(けんまくせい)であり、この腱膜とはまぶたを上げ下げする筋肉(上眼瞼挙筋)の末端部の膜のことであり、これが伸びたりゆるんでしまうことによる眼瞼下垂を腱膜性眼瞼下垂といいます。治療方法
手術のみしかありません。ふたえの線から切開し、緩んだ筋肉(上眼瞼挙筋)を処置します。治療後の状態は個人差がありますが、手術後1週間くらいはまぶたの腫れや皮下出血などがあります。2週間くらいかけてかなり自然な状態になり、完全に回復するのは数か月です。陥没乳頭
陥没乳頭とは
乳頭が陥没している疾患のことをいいます。乳頭が何らかの原因で皮下深く引き込まれ突出しない状態になっているのです。陥没の程度として、指で引き出せるもの(軽度)から全く動かないもの(重度)まであり、程度の強い陥没ほど手術の対象となります。症状
出産後に赤ちゃんの授乳の際に障害になる場合があります。母乳が排出されにくいため、乳腺炎を起こしやすくなります。またその他の症状としましては、乳頭の陥没によって皮膚が嵌頓していますので、皮膚の垢も乳頭の中にたまってきます。出産前の方で陥没が重度の方は、授乳時にこれらの症状が悪化するかもしれないことを考慮すると、治療を考えたほうが良いのかも知れません。また、見た目(美容)の問題もあり、陥没乳頭の患者様は、みんなと一緒に温泉に行けないと、訴えられることもあります。
原因
乳首の先にある乳頭部に乳腺からの乳管が15-20本集まった乳管束とよばれる組織があるのですが、この乳管束が周囲の組織の影響で低形成になり、乳頭を強く牽引するために陥没します。この牽引の程度が強いと重度になってくるのです。また、低形成になる原因はほとんどが先天性(生まれつき)のものと考えられます。治療方法
重度の場合は手術のみしかありません。軽度の場合は、乳頭の吸引によって改善することもあります。手術方法は、乳管束を温存する方法と切断する方法とがあります。手術後に授乳の可能性がある場合は、乳管束を温存する方法を行います。 陥没乳頭は女性特有の病気ですが、産婦人科の疾患ではないので『自分の乳首はくぼんでいて他人とは違うけど、なかなかどこに相談してよいかわからない』と、よく言われます。陥没乳頭は形成外科で取り扱う疾患になります。耳の変形
立ち耳・折れ耳・耳垂裂
耳介の変形には様々な形態があります。立ち耳、折れ耳、スタール耳、埋没耳、耳垂裂等その形態によって様々な疾患があります。埋没耳などは、めがねがかけられないなどの日常生活に支障をきたす場合があります。その他、耳垂が裂けてしまった耳垂裂や、けがや柔道などで耳が変形してしまうなどの、後天性の耳介変形があります。施術方法
状態や変形により様々な治療方法がありますが、手術のみしか治療できません。例えば、立ち耳は、耳介の対耳輪が消失しているために前方へ立っている状態ですが、手術方法としては、耳介後面を切開して耳介軟骨の後面を剥離し割を入れます。割を入れた部位の耳介軟骨を縫合し、耳の形が良くなるように軟骨を矯正します。これにより耳介全体が後方へ倒れます。 切開した皮膚は耳介後面なので傷跡はほとんど目立ちません。耳垂裂の場合は、裂部分を切除し、縫合します。このとき裂部の切除だけでなく、皮弁形成術を行い、傷が目立たなくする工夫をしています。巻き爪・陥入爪
巻き爪、陥入爪とは、爪がゆびの皮膚に食い込んで炎症を引き起こして痛みが生じている疾患です。くつで圧迫されて徐々に悪化するケースが多いですが、先天的にゆびの骨の形が巻き爪になりやすい方もあります。巻き爪・陥入爪治療には保存的治療と手術があり、程度に合わせて、治療方法を選択しています。手術なしで治る場合が多いですが、状態が悪いと巻き爪の原因となっている部分の爪母部分を切除する方法を行うこともあります。